第20回漢方治療研究会が、慶応義塾大学病院大会議室で9月26日に開かれたそうです。
そこで、漢方治療の役割などについて、こう話されたんだそうです。
<漢方の特質と役割>
①患者さんの生活の質の向上を第一に
②医療経済学的に無駄が無い
③心と体を総合的にみる
④予防医学により重点をおく(未病を治す、プライマリーケア)
<漢方の適応>
①いわゆる不定愁訴や自律神経失調症、冷え性には漢方がよい
②感染症(かぜやインフルエンザ)は漢方と抗ウイルス剤の併用が薦められる
③体力、免疫力を補う薬の効果として、肉芽の形成不全や蓐瘡(床ずれなどによる皮膚の潰瘍です。ジュクジュクした感じの状態、またその状態になる前)には漢方がよい
④乾燥症候群には漢方がよい
⑤婦人科疾患には漢方の適応が多い
⑥精神疾患、メンタルヘルスケアには漢方の適応が多い
⑦慢性疼痛疾患には漢方の適応がある
⑧現代医薬品と上手に併用する
・・・
そうなんです。
漢方は、確かに上記の症状などに、新薬とは違うアプローチで、効果的に働くことが多いのです。
自分的には、婦人科疾患、乾燥肌、冷え性、風邪などの感染症、精神疾患には漢方は欠かせないと思います。
ただ、漢方薬の課題として、
生薬原価の高騰による漢方薬の安定供給、品質や安全性
専門医を対象とした教育の統一化
研究機関の整備
効果の科学的検証と副作用機序の解明
漢方薬の配合の合理性と根拠
有用性の検証
治療におけるガイドライン
公的研究費における更なる支援
文部省や厚生労働省における漢方専門部局の設置と支援
国際化の中の漢方
などがあげられたそうです。
結局、臨床データや作用機序が重要視される西洋医学が主流の現代医学にとって、漢方というものはあやふやであいまいで、何で効くのかというふうに見られてしまうんですよね。
2000年以上の歴史があったって、何パーセントの有効率で統計的に効果ありとデータがないと、まだまだ認められないんだなということです。
膝の痛みだろうが、生理痛だろうが、同じ鎮痛剤が処方される西洋医学とは違い、漢方薬はその人の体質や病気の発生原因によって、違うんですよね。
漢方薬はオーダーメイドです。
なぜ効くのかというのも、理論はあるけど、まとまったデータがない。
結局、患者さんのバックグランドを設定して、対象を決める治験が難しいとも思われます。
だって、同じ症状でも、それに対する漢方薬は皆が同じではないから・・・。
漢方がより認められるには、中国古代哲学の考えから、理論をまず理解していただくことが必要なのかな~なんて思います。
私もまだまだなので、これからも学び続けますが、「は~なるほど~!」と面白い気付きが沢山あります。
漢方のこと、身近に感じられるように、
セミナー始めました。
よろしければ、お越しくださいね~^^